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vol.47

いつか見た港

​Dearest

~いつか見た港~

港町。海岸通り2丁目に一人の男(水嶋義人)がフラリと現れたところから物語は始まる。

その港町には、廃船に一人ぼっちで暮らす少女(藍里なみき)や、

 倉庫街の一角に住み着いているキングと呼ばれる乞食(久保田翔太)とその女(平形有子)。

ヤクザ(土屋大輔)と情婦(倉根奈美恵)その舎弟(川口航平)。

男に捨てられてばっかりいるホステス(若月彩音)と一緒に暮らしているオカマ(赫音裕)。

拾い集めた菱れた花を売っている少女(荒木ふたば)。

そして屋台の女将(宮原千恵子)がいた。

男は少女の廃船で暮らす様になり、この港町にかつて放浪の果てに住んだ事のあるブルックリン”の事を思い出す。

そう、そこは現実の街では生きることの出来ない寂しい人間達の吹き溜まりの様な所だったが、男には“人間”が住む、生きた町、本当の町に思えたのだった。

しかし、彼らはウォーターフロントの再開発の為に立退きを迫られていた。

地上げを巡って暗躍する、キングやヤクザ達と、立ち退きを反対する住民達との間で争いが続いていた。

そして男は、倉庫街の住人達に、自分の住む町がいかに大切かを説き、もし町を失えば、 自分の様に一生放浪して暮らす事になるのだと、立ち退きに反対する様に説得する。

怒ったヤクザは男にピストルを突きつける。そして――

波止場で、様々な人間達のエピソードが交錯しながら繰り広げられる大人のメルヘン。

振り向けば海。そして愛 ―――の物語。

2018年12月21~23日   上田市文化センター

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